テニスの王子様 DREAM 1

□幸村精市とお勉強☆
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「憂鬱だなぁ…」


勉強という拷問道具を目の前に、私はため息をついた。

机に向かっていても考えてしまうのは彼のこと。

最近出来た彼氏は
立海大付属テニス部部長の幸村精市さん。

綺麗な笑顔をいつも絶やさず私を安心させてくれる。

勉強にも手が付かずただ携帯に目が行ってしまう。

今日何度目か分からないため息をついた時、
私の待ち望んでいた着信音が鳴った。

バッと数秒も経たない内に通話ボタンを押した。


「やあ、姫ちゃん。勉強捗ってるかい?
…って、こんなに早く電話に出たって事は進んでないんだね。」

私の事はそれこそ本人よりも熟知しているかのように感じられる。

まったくもってその通りだ。

「あ、アハハ……お恥ずかしながら…」

「やれやれ…どうしようもないお姫様だ…」

「すみません…」

幸村さんの呆れたような声色に縮こまるしかない。

やはり勉強が出来なければ幸村さんとは釣り合わないのでは…?
と、不安が過って泣きたくなった。

「あぁ、謝らないで。怒ってないから。」

「あ、はい…」

「それでね、そんな姫ちゃんに提案。」

幸村さんの楽しそうな声が電話越しにでも分かった。

「俺は今暇なんだ。勉強も終わったしね。」

「はい…」


凹む…
差を見せつけたいんですかっ!?

嫌味ですかっ!?

我が彼氏ながら酷だと思う。
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