プラリネは相思病。

□No.3/ブシェ
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───


「やっと見つけた…」


丸三日。
探しに探して見つけた男。


名前も知らないそいつは
私を見ると口を開いた。


「1ヶ月ぶりだな。
凄い目つきだぞ。何かオレに用か」



目つきの悪いお前に言われたくない。
そう誰もが思うだろう。




「用も何も、あんた。
私にケンカ売ってんの!?」



「…何のことだ?」



壁にもたれている彼は
私から目をそらした。



「ここ1ヶ月、私が相手した人、
皆どっかの誰かに
ボコボコにされてるの!」



「それがどうした」



彼は相変わらず目をそらしている。



「そのせいで、私とセックスして
ご飯食べさせたら、男にボコボコに
されるって言う噂が広まって、
最近全く相手が捕まらないの!!」



「それは残念だったな」



やっと此方に目を向けたと思うと、
とても満足そうに、笑っていた。




不覚にもゾクッと来た。



その感覚が恐怖なのか、
快感なのかは、分からない。



気を取り直し、口を開く。


「喧嘩売ってきた犯人は
黒髪で小柄で目つきが悪い!
ピッタリ貴方じゃない!」


ガッと彼の腕をつかみ睨む。

すると彼は

「あぁ、オレだ」

と、目をまたそらし 呟いた。



「何でそんな事するの?
まさかご飯奢らせたの恨んでんの?」


「違う」



「じゃあなんで?」



「さぁな。
ただムカついたから」



さっきの笑い顔はどこへやら。

不機嫌そうな顔をして私を見た。



「ムカついたからって…。
そのせいで私…」



「責任はとる」



「は?」


文句をぶつけようとしたが、
その言葉に遮られる。



責任?
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