プラリネは相思病。
□No.1/ギモーヴ
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約12年前
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地下街。
たとえそこに太陽が上がったり沈んだりしなくとも、時間は流れている。
夜10時。
そう、
今日も平和に終わるはずだった。
はず。だった。
なぜ。
何故、目の前で3対1のケンカが起きているのだろうか。
殴り合いの様子をどうすればいいのか分からず眺め、ひんやりとしたレンガの壁にもたれた。
頭のリボンをなぞる。
これが私の目印だ。
知っている人は私に声をかける。
相手してあげるから、
ご飯食べさせて。又はお小遣い頂戴。
これが私。
小さい頃からお世話になったお姉さんが作り上げた私の生きる術だ。
今日も、いつものように
若いガキに欲情しちゃうようなお金持ちなおじさんや、お兄さん達の相手して、ご飯でも奢って貰おうとした。
声をかけてきたのは
20代くらいの男3人だった。
一瞬、3人なのはやだなぁと思ったが夕飯も奢るし、お小遣いもやると言われたので、文句は言わなかった。
お小遣い貰えるなら明日はそのお金で
普通にご飯食べれるな。良かった。
なんて、思いながら路地裏で囲まれてされるがままにしていたら
私の左頬にキスをしていた男が突然
私の視界から消え、目で探すと、
彼は地面にキスをしていた。
もう2人が私から手を離し
「てめぇ、何すんだ!!」
と、叫んだ。
ふと、地面に倒れ込んだ男から目を離し 2人が見る方向に顔を向けると、
私と同世代くらい?の青年が凄い形相で、立っていたのだ。
そして彼は分かりやすく
チッと、舌打ちすると、2人に殴りかかっていったのだ。
そして今。
私は、乱れた服を整え、殴り合いをただ呆然と見る事しか出来ずにいた。