進撃
□殺してしまったよホトトギス
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「へ…兵長…」
「□□…泣いてたのか」
俯きこちらを向く□□の顔に手を添え、軽く此方にむける。
昨日こいつの恋人が
巨人に喰われた。
「あ…の、大丈夫です…!
もう、明日からはしっかりしますので…!はい!なので今はほっとい…」
───きゅ
腕を引き抱き寄せる
「へっ兵長…あの…」
固まったまま抵抗しない□□
を見て抱きしめたまま続ける。
「オレは…オレは死なねぇ。
絶対に。だから…」
「ちょ…あの、離し…」
「オレのになれよ」
────何か言いかけた□□の口を口でふさぐ。
掴んだ腕には力が無い。
そうだ、それでいい。
すべてオレに委ねろ。
任せろ。お前は何も考えるな。
────何故喰われたあいつが
立体起動装置を外していたかも。
───捨てられたら装置が故障していたかも。
────あいつが巨人に掴まれもオレが目の前で立ち尽くしていたかも。
────今オレが笑っているかも。
(考えるなよ)
───殺してしまったよ──