勝手に浸ってろよ、
□飴上がりは怪我をする
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しっかりしろ、黄瀬涼太。
□□の両親は共働きで
家に居ないことが多いらしいし、
兄弟もいない。
つまり、今現在この家には□□しか居ないんだから
ふつーーにインターホンを押すんだ!
もし□□意外が出たってなんだ!オレはモデルのキセリョ!
堂々と挨拶すればいいっス!
───すっ
「お…押す…」
───ピチャッ
「!」
水溜まりの水が跳ねる音がし、
すぐそばの曲がり角に目をやる。
まさか□□のご家族さんが…
「え…涼太…」
「□□…?」
予想外。
曲がって来たのは
目を丸くした□□だった。
ぱっと駆け寄る。
「なんだ、出てたんスか〜
メール返事来ないからちょっと心配に
なって来てみ…」
あ…れ?
あれ?
「そう。ごめんね返信できなくて」
「□□、その格好…」
「あー…」
ふわふわとしたワンピ。
間違えない、昨日着てたものだ。
他の身に着けているものもすべて。
違うのは高くアップしていた髪が
耳下にゆるく結ってあるのと、
黒い傘をもっていることくらい。
これは…