勝手に浸ってろよ、

□甘いお菓子は蜃気楼
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目を疑った。


目の前に、
まして台風でも来てるんじゃないかってくらいの大雨の夜に□□が
いたから。



───ゴオオオオ


「□□…?」


心なしかふらついている彼女に
駆け寄る。


「あれー真ちゃん?
きぐーだね!久し振りぃ〜」


「何やっているのだよ!
こんな時間に!こんな天気に!」


怒鳴り現在進行でビショビショに濡れている□□をカサに入れる。



「やだなぁ、こんな時間て
まだ9時だよー?」


「まだじゃない、もう。だ!」


「そー??」


なんだ?こういうと言葉がおかしいが
なんだか声が火照っているような…

ふらふらもしている。


「お前…そうだ!電車!電車この天気で止まっているぞ!?
どうするつもりなのだよ?!」


さっき電車通学の学生らしき人達が
ケータイをみて「まじかよー」と話していたのを思い出した。


「さっき行ったからしってるー」


──────ゴオオオオ



「歩いて帰るつもりか!?
三時間はかかるぞ!?」


─────ゴオオオオ


「…ん。…てる…し」


───ゴオオオオ


雨風が強くなってきて
声が聞き取り辛い。


「どうするつもー」


───バッキャァァァッッ


「…」

「あーあー…デにこわ…ね」


カサが風に負けひん曲がった…というより不壊れたのだよ。


…もともとカサの意味が無いくらいぬれていたからもうどうでもよい。


──ぐいっ


「…かく、行…ぞ」


□□の細い腕を引き、
10分足らずで着く家に向かった。
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