プラリネは相思病。

□No.2/オランジェット
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「クソガキが!!覚えとけよ!」


そう言い放ち、ふらふらと男共は大通りへと出て行った。

チッ。


一つ舌打ちをし、
壁にもたれる女に目をやる。


大人びているが
年は15くらいだろうか、
呆然と間抜けな面してやがる。



「おい…」


「は…はあ。」


くりくりの目をまん丸にして
此方を見る女に近づく。


よく見ると普通に可愛い。



なるべく優しくするよう
心掛けて声をかける。



「大丈夫か…?
この時間はここら辺物騒だから
あんまり出歩かない方がいいぞ」



「ん…?あぁ、そうね…」



なんだ?



その返事は。



踵を返し立ち去ろうとすると、

「あのー」


と、呼び止められた。



名前でも訊かれるのだろうか。
と、思ったのもつかのま。


彼女の発した言葉は驚くべき物だった



「あの人たち、今日の
夕飯だったんだけど…」



「は?」



何言ってんだこいつ。



ありえねぇがまさか…



恐る恐る訊く。



「…てめぇ…人肉。
…く…食うのか…?」



「は?違うわよ!
巨人じゃあるまいし!」



彼女は目を真ん丸にして答えた。



「ならてめぇ、夕飯って…」



あ。



ふと、女の頭に目をやると
赤色リボンが目に入る。



ここら辺ではこんな綺麗なリボンを付けている女は例の姉妹くらいだ。



噂しか訊いたことがないが、何でも身体を引きかけに、小遣いやら飯を奢ってもらうやらしている姉妹らしい。


そんな風に生活している女は
他に沢山いるが、
綺麗な大きいリボンが目印になり
有名になったとか。





まさかコイツが?
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