貴方に嘘の花束を

□第六話
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 今でもはっきりと覚えている。
甘酸っぱい果物の香りが血の匂いに打ち消され、熱の籠った体が冷えていく感覚を。


 二年半前。


 エンヴィーは悩んでいた。
他人に嫉妬するたびに、自分が醜い生き物だと認識しないようにと、数多くの生き物を殺してきた。
人も、犬も、猫も、鳥も。

 自分は醜くない、他者は自分より下なのだと必死に言い聞かせて己を保っていた。

 それなのに・・・・・
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