貴方に嘘の花束を
□第五話
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「あれっ?ミルフィーユ准尉?」
軍に着いて、昨日よりも微かに増えた書類を前に席に着いた時、後ろから声がかかった。
あのくわえ煙草は・・・・・ハボッ・・・・・・誰だったかしら?
思い出せないわ。
「顔が真っ青っすよ?何かあったんすか?」
「あれ?本当だ。
何だか歩いてる時もフラフラしてましたし・・・・・・・
今日は帰って休んだ方が良いんじゃないんですか?」
黒目黒髪に童顔の、機械を弄っている人がそう言った。
今日はあんな夢を見たせいか、まだ眩暈が続いている。
鏡はちゃんと見ていなかったが、おそらくそうなのだろう。
「中尉や大佐も休みだし、二人には後で話しておくんで」
「中尉が休みなんて珍しいっすね」
「きっと腰痛よ」
「嘘だ・・・・・・・・嘘って言ってください・・・・・・」
何故だか知らないけど、あの煙草(命名)も顔が真っ青になっているわ。
後ろにいる機械弄り(命名)も苦笑い。
でも、言われた通り休んだ方が良いのかもしれない。
「休憩室に行ってきます」
断りを入れて、私は休憩室へと向かう。
行く途中で膝をついてしまうが、それでもやっとのことで休憩室にたどり着く。
室内へ入ろうとドアノブへ手を伸ばしたとき・・・・・・
「あ、准尉だ。こんにちは」
「よっ!」
今一番会いたくない顔ぶれがこちらへと向かって来ていた。