貴方に嘘の花束を

□第三話
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 次の日。
エドワードとアルフォンスは、ロイ・マスタング大佐の執務室にいた。

「・・・で?わざわざ呼び出したりして、一体何のつもりだ」

 椅子にどっかりと座りこみ、エドワードはご機嫌斜めのようだ。
頬杖をついて不機嫌丸出しの彼を諭す様にマスタングは話した。

「もうそろそろ賢者の石についての情報が尽きる頃だと思ってね。
別に君らにとっても悪い話では無いさ」

 書類を二人に渡し、詳しい内容を彼は話し始める。

「三年前に起こった薔薇の館事件。
その首謀者であるルー・ヒスワイリが自身の身を守る為だけに育てた少女がいた。
それが、君らに伝言を送ったミルフィーユ・ラフェテリア准尉でね。
君らには彼女の事を・・・・・・・見張ってほしい」

「はっ?」「えっ?」

 エドワードとアルフォンスの驚く声が重なった。

「それのどこが悪くない話なんだよ!」

「それに大佐。相手は女の子ですよ!?」

 明確な怒りを見せるエドワードと焦るアルフォンス。
そんな二人を見て、マスタングはとっておきの切り札を口にした。

「彼女は、ヒスワイリから様々な事を教え込まれている。
武術、医学、銃の使用方法から相手を毒殺する為の方法まで。
そして、錬金術もだ。医学も詳しく学んでいるので生体錬成についての知識も豊富だ。
そして何より、ヒスワイリは人体実験までも行っていたからな。
その知識、技術、アイデア全てを彼から受け継いでいるとしたら?」

 その知識の中には、二人の求めている内容が含まれているかもしれない。

「・・・・・・どうだ?やる気になったかな?」
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