短編小説

□勝利の女神は微笑んだ
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「私、リョーマのためなら何でもするよ。」


主人公はリョーマの幼馴染。

頭もよく、テニスも手塚並みに強いまさに才色兼備な女子。

リョーマのことを昔から好きで、リョーマを追いかけて全国終了後青学へ転入してきた。

だが、久々に会ったリョーマはどこか雰囲気が変わっていることに気づく。


「(日本でいろいろあったせいかな・・・)」


気になりはしたけど、特に聞くこともなく穏やかに毎日を過ごす。

主人公はテニスがずば抜けて強いため、女子テニス部ではなく男子テニス部に入部。

そこで練習しているとき、あることに気づいた。


「リョーマ様!リョーマ様!!」

「ちょっ、朋ちゃん・・・。」


アメリカにいた頃にもこんな子いたなぁ、と主人公は思うが特に気にしない。

だって、柵越しに見つめている彼女たちより。幼馴染として何年も一緒に過ごした自分の方が、ずっとリョーマに近い位置にあることを知っているから。

だけど、気づいてしまう。


「竜崎、小坂田。うるさい」


自分以外の女子の名前など覚えたこともない彼が、彼女らの名前を呼んでいること。

自分と話すときよりもはるかに穏やかな顔をしていること。

リョーマが、桜乃を好きなこと。


自分よりもはるかに容姿も、頭も、テニスも劣る彼女にリョーマを奪われた主人公は激しい嫉妬を覚えた。

そして、


「・・そうだ。やられたら、やり返せばいいじゃない。」


主人公は桜乃を何らかの形で嵌めて、学校中からいじめられるようにする。

ひとりぼっちになる桜乃。

だけど、そんな状況下でも唯一味方になってくれる存在がいた。


「桜乃!大丈夫!?」


事情を全て聞いた朋香は主人公への復讐を決意する。



穏やかな舞台は、修羅場と化した悲劇となっていく。

誰もが傷をつけ傷を負う最中、最後に笑うのは誰なのか?




勝利の女神を微笑んだ

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