恋すれば今夜もよく眠れる

□第一話 恋愛フラグが立ちそうもない件
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恋すれば今夜もよく眠れる


第一話 恋愛フラグが立ちそうもない件



あたしの人生20年、その中で何度か「あたし、海軍に入ろうかな。」なんて気まぐれのように呟いたことがある。本人は割と本気だったけど、聞いた家族は信じなかった。

「海兵なんて女の子がなるものじゃない!」

といつもお決まりの文句で一喝される。

かっちょいい女海兵の武勇伝をいくつも知っていたあたしは、女だってなれるという自信があった。だから反論しようとしたんだけど、

いかんせん

打たれ弱いあたしの顔はみるみるまに真っ赤になって、のどの奥からこみあげる苦しさで言葉も出ないまま、うつむいていた。

そう、この打たれ弱さがあたしの人生。

スパーンと打たれた心はあっというまに腫れ上がって、のどの奥で熱をまく。言葉の出口をふさいでしまう。

自分が情けなくなって、それさえも恥ずかしくて自分の部屋へさっさと引き上げる。

泣きじゃくりながら、それでも確かに、今まで憧れはあっても実際この目で見たことないような場所へ行くのは不安だよな、うん、そうだなー。なんて、手にした情熱はどこへやら。





おのれ、弱い自分。






そんな青春の心の痣?も消えて今はすっかり元気!


今に至る。




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