kiss in the dark
□第一章 -賢者の石-
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「…祖父様。如何いたしましょう。」
「まぁ、読むくらい減らんじゃろうて。開けなさい。」
…不安なんだけど。それはもう、実に。
話はちょうど20分くらい前に遡る。
「…桜ー。これお前宛だろー。」
朝の郵便受けに入っていた、英文塗れの封筒。
「兄者、こんな悪戯は…」
「あ?俺はてっきり外人の恋人かと思ったんだが?」
兄者も知らない…なら誰だ?
「…ホグ、ワーツ…?」
鷲と、穴熊と、獅子と、蛇。
いかにもな封蝋に、勘が働く。
…まさか。
地面を蹴り、祖父さまの部屋に向かった
…母上の居場所が分かるかも…!