二つの裏世界 ─小十郎夢完結─

□二つの裏世界 第1日
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日本庭園を思わせる庭で乾いた音が響く

そこに一人袴をはいた青年のような
女性が縁側で汗を拭いていると携帯のバイブが鳴る



ブー…ブー…



バイブの音を聞き廊下の隅にある

携帯を開くと親友の名前が出ていた。
彼方からかけてくるのはいつものことだが

時間帯がもう夕暮れという可笑しな時だと手元にある通話ボタンを押す






「もしもし

「もう、早く返して!!…って、レイ!?」


「ねぇねぇ、何独り言
言ってるの?」




自らかけた訳じゃないとわかる会話と携帯の向こうからは親友の声と知らない男の声

けして悪意がある声ではなく
純粋な疑問の声が耳に入ってきた



そんな電話が切れ唖然
としてる中


裄じぃ「お嬢?どうなされたのですか??」

お茶を用意した裄じぃが

汗で濡れているタオルを
持ち声をかけてきた。

その声で我に返ると急いで出かける準備に掛かる





「ちょっと行ってくる!」




それはいつも自分以外家にあげない親友へのちょっとした好奇心





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