銀魂夢小説
□ごめんね、素直じゃなくって
1ページ/3ページ
ザァー・・・
今日は、雨か・・・。雨ってなんでこうも感傷的になるんだろうな。
ごめんね、素直じゃなくって
昨日の炊き出しの時、美鈴は倒れた。
『少し休んだらどうだ?』
『へーきへーき』
あいつはいつだってそうだ。
『私に出来ることならなんでもしてあげたいし』
真選組の為なら例え火の中水の中。自分よりも何よりも真選組。真選組こそがあいつの全てだ。
「おい!」
ほんの少し目を離した時だった。声がした方を向くと、万事屋の野郎に抱えられ倒れている美鈴がいた。
だから休めって言ったのに・・・。
俺が駆け付けるより早く、万事屋が美鈴を抱え屯所の奥へ走って行ってしまった。
なんであの野郎が?美鈴はあの野郎に俺たちの復讐で斬りかかったはずだろ?あの野郎だって俺たち真選組を良く思ってねぇだろうに。
とにかく、あんな奴に美鈴は任せておけねぇ・・・!
沖田「土方さーん。こっちすごい人なんでさァ。ちょっと手伝ってくだせェ」
土方「んな事言ってる場合じゃねーんだよ!美鈴が!」
「わーおいしそう!」
「こっちもよ!」
一斉に人だかりがこっちに向かってくる。チッ、身動きが取れやしねぇ!
美鈴・・・!
なんとか人波をかきわけ、急いで救護室の前に駆け付ける。戸を開けようとすると。
『…でも、うん。ありがと』
美鈴の声だった。相手は万事屋の野郎なんだろう。
『じゃあ、俺行くわ』
やべっ、隠れるか!ってなんでこの俺がこそこそしなきゃいけねーんだよ!
『カレー、食いてえな』
『カレーね、考えとく』
『さっきの飯、美味かった』
・・・なんだよこの会話。完全にデキてる奴らの会話じゃねーか。なんだよ、これ。