旧約聖書

□転生
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「困りましたね…。」
甲高い声が室内に響き渡る。
部屋には、男性二人と、王とその側近しかいなかった。
「これだけ数がいれば相当な被害と怪我人が出ます…」
眉をひそめながら呟く男性。虎治隊副隊長ローラ。病弱な隊長の代役で隊を切り盛りしているしっかり者。
「飛竜軍で心配なんだのは毒じゃな…尾にやられてはかなわぬ故。」
うむ…、王ロセールは少し考えて口を開いた。



「仕方ない。騎馬隊を出すか。」
その言葉にカーははっとした。

「よう考えて、ものを言え、馬鹿者。進軍してきているのに、あえて高等部隊(騎馬隊)を出すのは何ぞや。臨機応変に対応せよと言うたではないか…」
ボロクソ言われて黙っていないロセールだった。ぴきーんと頭のなかで何かの音が聞こえた気がした。
「代が決めたことだ。命令は絶対であるぞ。」
「そのまとまりの無さが鼻につくのじゃ。良いか?この戦いには兵力が必要不可欠。騎馬隊を出すには及ばぬ戦いじゃ。数で勝負をした方が良いと言うてるからに。」
二人が口論してる刹那、側近の一人がおろおろしているローラに声をかけてきた。
「副隊長、近隣の町村の警備態勢はできているの?」
ローラは一瞬ギクリとした。いきなり話しかけられたのかビビりまくっている。
「え、あ…はい…!?あ、いや。えっと…」
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