旧約聖書
□華美
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「飛竜達が直接自分の知能で動いているとは思えぬな。」
「ですね。あるいはその青年が…」
こやつはホントに見てないのか。
(いくら代が直々に頼んだ報告だからといって側近まで秘密にすることは無いぞ…)
「ルナ…これを見ゆるが良い。」
渡された書簡には襲撃時の状況が事細かに記されていた。
ルピナスが見た報告書とは大分違った。
いつの間にこんなもの書いたのはウルバンか。
先程リズ殿がこられたのはこれを届けに来たのかな。
ふと、ある名前にルピナスは目をとめた。
「コウヤ?」
聞いたことがある。
懐かしいがする。何だったか…確か表界に落ちそうになったとき…―