旧約聖書

□華美
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時を同じくしてシャンソネッタでは第一部隊襲撃の老師会が続いていた。
先程ロセールが一喝入れたにも関わらずまた、個人の意見のぶつけ合いになっていた。
鄭州など見捨てろや弓隊の人員削減などなかば議題には関係のないことばかりだった。
そろそろ止めないと収拾がつかなくなる。

「控えろ!陛下の御前だぞ!!」

ルピナスが叫んだ。年寄同士の言い合いに茶々を入れる気はないが話が進まない。

「この老いぼれじじい共が…。」

「陛下、お声に出ております…。」

ロセールは慌てて口をふさいだ。ルピナスは大分イライラしてる。
しかし、ゲーテを襲ったという青年、術を見てないからなんとも言えぬが恐らくダーマかプリズムビダン。だがもしプリズムだったらカーから入電が入ってくるはずだ。
老師達に話せばまたややこしくなる。気がする。

「陛下…。あの、鄭州に飛竜が来るのはそこが目的地なのですか?それとも、単なる通過地点なのですか?最近地震も多いし…。まるであの時のようです。」

ルピナスはあの報告書に目を通してなかったか。
ウルバンの報告書によると青年の名はコウヤ。
プリズムでは聞かない名だ。憶測や根拠無しに判断するのはよくないがプリズムは直接の関わりは無いと思われる。あくまで、想像の範疇。そして襲撃に関わっていないだけで飛竜の異常行動などはプリズムビダンが大いにか関わっている可能性があるということだ。
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