旧約聖書
□殺陣
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ルピナスはぼんやりと双眸を開いた。
辺りは薄明かるく時々空が怪しく光る。
(気づけたら…行くが良い)
カーの言葉が頭にこだます、気づいていない?何にだ。この私が…?
「さっぱりわからない…わたしは何か見落としているとでも言うの?」
私情というのは恐らく昔のあの事だろう。陛下は私とコウヤが以前接触があったことを知らないはずだ。そのときはまだ陛下は即位してない。どころか下手をしたら生まれていないぞ。
「……なんの事だ…。」
「わああああああああああああああああ!!!」
皆必死で逃げ回っている、もちろんゲーテもヘヤも。ウルバンの勢いは止まらず隊列は完全に乱れ各々四方八方に逃げ回っている。
「ちょっとちょっと!!何なのよあれは!?」
弓隊をものともせず立っているものは皆敵。そんな考えっぽく…目が合えば倒すまで追いかけてくる。
全然弓が効かないじゃないか。
「意識はないでしょう。色々試しましたがすべて失敗に終わりました。」
「開き直ってんじゃないわよ!」
多分先程のコウヤとの戦闘で何かあったに違いない。変な術も使っていたし、解く方法を考えねば。
でも、どうすれば……――ゲーテは考えを巡らせた。こういった呪術に詳しい人は〜…。え〜―――
「は、シオン隊長だ!」