砦にて。

□創也の。
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「なあ、そういえばさあ」
と、僕はソファから身を乗り出す。
「なんだい?」
と創也がキーをたたくのを止める。
「クイズしていい?」
「うん、いいよ。」
「僕の好きな子、誰でしょう?」
「堀越美晴」
僕は、ふぅ、とため息をつく。
「不公平だと思わないか?」
「何が?」
「何で僕の好きな子を創也が知ってて、
 創也の好きな子を僕が知らないんだよ」
創也が笑う。
「だから僕はそういうことに興味がないんだって。」
「僕だけ弱みを握られてるみたいで
 何かイヤだ。」
「弱み、ねえ。」
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