短編U
□Be in love with you
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眠れない夜 君のせいだよ――。
沖田は今まさにそんな状態だった。
時刻は、既に12時を回っていた。
薄い掛け布団を頭まで被る。
「さっき、別れたばかりなのに。」
冒頭のフレーズに続けるかのように沖田は、小さく呟いた。
さっき、いや7時頃別れた 君 は今頃沖田家の隣の家で爆睡をしているだろう。もしくは、一人の時間を楽しんでいるかもしれない。どっちみち、沖田と同じ心境になっているかと聞かれたら、YESとは答えきれない。
何分、君はまだ沖田より余裕があるのだ。
君
幼馴染で同級生。そして、沖田の恋人。
名前は、土方十四郎。
沖田は 君――土方でのせいで眠れない夜を過ごしていた。
その原因を思い出すだけで、沖田は顔から火が出そうな勢いだった。
耳たぶが For you
燃えている For you
正しくそれだ。
(暑い)
そう思い、沖田は勢いよく布団を蹴飛ばした。
少し冷えた外部の空気に触れ、火照った部分も少しは楽になった。
(やった。やったよ…)
天井を眺めながらそう思う。
言葉のニュアンスが少し、いや大分反れている。
某アニメソングの場合、はじめてのチュウをした喜びのやった。を可愛らしい声で表現しているのだが、沖田の場合、何かやらかしてしまったり、あるいは殺った。とかで使うやった。の使い方をしている。
はっきりと言えば、沖田はやった。の使い方を間違っている。
とりあえず、それは置いておこう。
どうして、沖田が眠れない夜を送っているのか。
そちらの方が、大切だ。(管理人は、そう思っている。)
何故か?
それは、ちょくちょく本文に紛れ込んでくる某アニメソングの歌詞から分かる通り、沖田は「はじめてのチュウ」を経験した。
相手はもちろん土方だ。