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□秘密の恋愛会議
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「きりーつ、礼」

「昼飯食おーぜー」
「○○、後輩が呼んでるよー」


四時限目も無事終わり、昼休みが始まった。教室が一気にざわつき、空気が緩むのを感じた。
無論、私も 昼休みを愛する模範的な女子高生の一人である。

「名無し丸ー、お昼食べよ」
「早よせんか、我は腹が減っておるのじゃ」
「へいへい」

女子高生のキャピキャピで可愛らしいお昼休み想像してたそこの貴方には、ごめんなさい。
うちにそんな子はいません。代わりに武士ならいますよ!!!!



はぁ。


「諸君、今日は七夕であるな」
「あ、そういやそうだねぇ」
「七夕を忘れるとは…名無し丸!お前彼氏いないだろ」
「うるっさいなーもう!分かったから!!」

しかし、彼氏はいなくても 思い人ぐらいいる訳で。私だって七夕ぐらいロマンチックになりたい(※七夕を覚えていればの話)
もっとも、そんな風には思われてないだろうけど。
再びため息が漏れそうになったそのとき、


「名無し川ー、いるー?」

遠くから、やたら張った声が聞こえた。それはそれは、聞き慣れた声だった。

「あれ、森山、ど、どしたの」

あまりに唐突なことだったもんで、吃ってしまう。
森山は男子バスケ部のレギュラー。私は女子バスケ部の部員なので、体育館の場所取り関係とかかと思っていた。

ら、全然違った。


「あのさ、会議なんだけど、今日は昼休みにやっちゃってもいい?」
「あ、会議…いいよ別に」

それだけ言うと高速で頭を下げ、
んじゃ1時に体育館裏な!!と叫んで消えていった。

会議、というのは…まぁただのお節介計画なのだが。
我が幼馴染であり、女子に耐性がないことで知られる(?)笠松が、どうやら恋をしているらしく。
それを勝手に応援するための会議、そのことだ。
いつもは部活後にやっていたのだが、何か用でもあるのだろう。昼休みに呼ばれてしまった。


「…おー、なんだって?森山」
「いや、ちょっと呼ばれまして」
「告白!?告白か!!?」
「まじで!?」

騒ぎ立てる二人をよそに、黙々とお弁当を食す。

…なんでもないように森山と話したけど、実は心臓がバックバクである。


森山こそが、私の思い人だ。
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