闇に溶ける色

□陸
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グレルが葬儀屋の名を出すと黒葉は体を乗り出し驚いた目で見上げる。


「そんなに乗り出すと危ないわよ?」


とグレルに言われ結界にぶつかりそうになり体を部屋へ引っ込めた。



『あの、グレルさん。ボクはここから出られそうにないんです。だから・・・』

「そんなことわかってるわよ。葬儀屋にもアンタを探せとは頼まれたけど助けてこいなんて言われてないし、ここの場所だけ報告してくるワ。」

『ありがとうございます。あ、それと伯爵様とセバスチャンさんにも・・・』

「あ〜はいはい。ちゃんと伝えといてあげるワ。じゃーね。」



グレルは少し面倒くさそうに返事を返すと屋根を蹴って去っていった。


待つしかできない自分にはここに居る間に死なないように頑張ることぐらいしかできない。


黒葉はヴァルクが戻る前に窓を閉めてまた籠の中へ戻った。


『大丈夫。ちゃんと来てくれる。ボクはここに居る間に少し調べたりしとこうかな。伯爵様が探してる人たちも生きてる人も居るかもしれないし・・・』


でも微かに臭った血の臭い。


たぶん。多分だが、死んでいる者も居るのだろう。


名前は表情を暗くするが首を左右へ振り嫌な考えを振り払う。


『大丈夫!ちゃんとやれることをやっていれば役にも立てるしきっと出られる!』


両手をグッっと握り自身を励ますように黒葉は意気込んだ。



〜続〜
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