闇に溶ける色
□陸
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『血の匂い・・・』
部屋の扉を見つめつぶやく。
ヴァルクからは微かにだが血液の臭いがした。
黒葉の頭には嫌な光景が浮かぶ。
『は、早くここから出て皆に知らせないと・・・』
黒葉は慌てて猫の姿へと変わり籠から抜け出し部屋にある大きな出窓へ駆け寄り窓を開けた。
外はもうすっかり明るくなっている。とゆうか日の傾き方からしてもう夕方なのだろう。
ずいぶん長い間眠ってしまっていた様だ。
黒葉は窓から飛び降りて逃げてしまおうと思い開けた窓の外へ身を乗り出すと長い髪の先がバチッと何かに触れた。
『ッ!?結界!?』
慌てて体を部屋へ引っ込めて結界に触れた髪を片手で抑える。
『これじゃ出られないよ・・・』
屋敷内を通って降りるのも一つの手だができればヴァルクは出て行く際に部屋に鍵をかけて行ってしまい扉は閉ざされていた。。
『アンダーテイカー・・・』
黒葉は必死に脱出方法を考えながら葬儀屋の黒葉を呟いた。
なにかあれば呼べと彼は言っていた。
でもここはどこかは彼にはわからないだろう。
自分も気絶していたし、ここにどうゆう経路で来たのか全く覚えていない。
『テイカー・・・ごめん・・・』
うつ向いて静かに言うと頭上から聞いたことの無い声が降ってきた。
「アンタが黒葉とかゆう女?」
『え・・・』
「ンフッ、やぁっと見つけたワァ。全く、仕事中に探すのって大変なんだから・・・」
窓から顔を出し上を見上げると窓の上辺の屋根に真っ赤な男。
グレルが立っていた。
グレルは面倒くさそうに呟くとこちらを見つめる黒葉へと視線を戻した。
『あ、あなたは?』
「アタシはグレル・サトクリフってゆうの。葬儀屋に頼まれてアンタを探しに来たのよ。」
『テイカーに!?』
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