闇に溶ける色

□陸
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「ではそろそろお部屋の方へ案内させて頂きます。」


セバスチャンはそう声をかけると葬儀屋を客室へ案内し、


「おやすみなさいませ。」と言い客室を後にした。


セバスチャンが出て行ったあとも数時間ほど葬儀屋は外を眺めては黒葉の無事を祈った。





――屋敷。

黒葉が目を覚ますと見たことのない屋敷の一室、しかも大きな鳥かごのような檻の中にいた。


『そうだ、ボク・・・』


暗闇の中で何者かに連れ去られたのを思い出し辺りを見回す。


だが誰も居らずあるのは綺麗なインテリアや花の飾ってある花瓶ばかりだ。


綺麗だがどことなく嫌な雰囲気の家具。


基本はワインレッドや黒といった色で統一されておりまるで時間がたった血液の色だ。


『趣味悪いですね。・・・テイカーといい勝負かもしれません。』


暫く観察すると黒葉は自身の閉じ込められている籠を触る。


そして籠の隙間を手で計った。


『この大きさなら猫になっちゃえば出れますね。』


黒葉は早速脱出を試みるがキィ・・・っという音に顔上げる。


そこには前に街で見た男と同じ洋服を纏った男が立っていた。
そしてゆっくりこちらへ近づいてくる。



「お目覚めになられましたか。」

『どちら様ですか?』



黒葉は男を睨みつけながら問う。


男は人当たりの良さそうな顔でこちらへ近づき籠の前に片膝をついて黒葉と目線を合わせる。



「私はヴァルク・アーノルドと申します。」






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