闇に溶ける色

□伍
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二人が出ていくのを見届けると葬儀屋はバルコニーへと出ていき空を見上げた。


「小生はどうしたんだろうねェ。」


できることなら今すぐにでも駆けつけて助け出したいとゆう気持ちばかりが溢れる。


先ほど屋敷に着いた時には自分でも気がつかないほどに焦っていた。


葬儀屋は視線を落として静かにため息をつく。


だが次の瞬間、何かが襲ってくるのを感じて一歩後ろへと避けた。


すると目の前に落ちてきたのは真っ赤な塊だった。



「なんだ死神くんか。」

「ひどいワッ!アタシの綺麗な顔に傷がついたらどうしてくれんのヨッ!女優は顔が命なのにッ!」

「君は男でしょォ」



すでに顔面からバルコニーへ落ちてきた死神と呼ばれた真っ赤な男は勢い良く起き上がり葬儀屋へ怒鳴りつけたが相手がわかるとため息を吐きながら言う。


そこへセバスチャンが物音を聞きつけて走ってきた。



「一体何事ですか・・・ってグレルさん。」

「アーラ、セバスちゃんまでッ!イイオトコが二人も並んでるだなんてどっちにしようか迷っちゃうワ〜!でもやっぱりアタシはセバスちゃんの方がいいかしらネッ」



心底嫌なものを見るようにセバスチャンはグレルを見ていた。


暫くグレルの様子を呆れながら見ていたが葬儀屋はふとあることを思いついた。


「(死神くんたちにも手伝ってもらえれば直ぐに黒葉を見つけられるかもしれない。)」


未だにセバスちゃんへクネクネと体をくねらせてハートを飛ばすグレルに声を掛けた。







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