闇に溶ける色

□参
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「と、とにかく何か作を考えなくては・・・」

「坊ちゃん。ここは一つ黒葉様にご協力していただいては如何でしょう?」

『えっ、ボクですか?』

「なにを馬鹿な事を言っている。彼女にもしもの事があったらどうするんだ。」

「そうだよ執事くん。うちの従業員を危険にさらす気かい?」



シエルは眉間に皺を寄せ、葬儀屋は口角を下げてセバスチャンを見た。



「ですが彼女は犯人の姿も見ていらっしゃいます、そしてそのような輩の気配もわかるようですし、ご協力して頂くには十分なお方だと思われるのですが・・・」

「だが・・・」



セバスチャンの言葉を聞くと納得したようにシエルは頷いた。


でも黒葉を危険な目に合わせてしまう為にシエルの一存では事が決められない。


本人からも返事を貰わなければなにもできない。


シエルは立ち上がると黒葉の目の前へ立ち右手を自身の胸にあてて頭を下げた。



「これ以上の被害の増大を防ぐためにも是非、貴女にご協力していただきたいのですが、お願いできませんか?」

「私からもお願いいたします。」



シエルの後ろでセバスチャンも深々と頭を下げる。


少し困ったように葬儀屋の方を見ると未だに口角を下げてこちらを見ていた。
だが小さくため息を着くと「自分でお決め。」と呟いた。



『・・・ボクでお力になれるなら。』

「本当・・・ですか?」



こんな危険な頼みだ。断られるのを覚悟の上で頭を下げたシエルは大きな碧い目をさらに見開いて顔を黒葉へ向けた。



『はい。』

「あ、ありがとうございます。」



シエルはニコリと笑顔を見せ礼を述べた。



「では坊ちゃん。早速準備と行きましょうか。」

「そうだな。アンダーテイカー、彼女を借りるぞ。」

『え?』

「準備ってことは・・・。伯爵、小生もついていくよ。」

「・・・あぁ。」



シエルは立ち上がる葬儀屋を一瞬嫌そうに見たが短く返事をしてセバスチャンが開いている扉へと向かった。



「じゃぁ黒葉、行こうか。」

『え、でも行くってどこへ・・・』

「ヒッヒ・・・ついてくればわかるさ。」



葬儀屋も外へ向い、黒葉も慌ててその背中を追った。
3人はセバスチャンの操る馬車へ乗り込み人通りの多い通りへと向かって行った。





〜続〜
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