闇に溶ける色
□弐
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「さぁ伯爵。今日は何が聞きたいんだい?」
「最近増えてきた事件のことで情報を貰いたい。」
「なんの事かなァ?」
「とぼけるな。お前の耳にも少なからず入っては来ているだろう。」
「さ〜ぁ?情報が欲しいなら対価を貰わないと何も教えられないなぁ。」
「チッ・・・」
「ほらほら伯爵。早く小生にアレをおくれぇ?」
『アレ?』
カウンターの中に居たはずの葬儀屋はいつの間にかシエルの目の前で怪しい笑みを浮かべながら迫っていた。
「では私が・・・」
「おや?今日は執事くんが小生にアレをくれるのかい?」
「ええ。お任せ下さい。では坊ちゃん、黒葉様少々外でお待ち頂けますでしょうか?」
『え?わ、わかりました。』
「早く済ませろ。今日は忙しいんだ。」
「御意に。」
セバスチャンが玄関の扉を開けるとシエルが外へ出てき、それを追うように黒葉も外へ出ていく。
扉がパタンと音を立てて閉まるとシエルは隣にいる黒葉に話しかけた。
「黒葉さん。」
『へ?あっはい?』
「そんなに畏まらないでください。」
『あ・・・すみません。』
シエルは慌てて返事をする黒葉を見るとクスクスと笑いながら告げで話を続けた。
「貴女は本当にここに住み込みで働いているんですか?」
『え、えっと・・・』
『(自分は昨日ここへきたばかりだし、住み込みなんてさっき初めて聞いたってゆうか言われたことだし、でもテイカーさんは自分はここに住み込みって言っちゃったしここで違うってボクが言ってしまったらあの人が嘘つきに・・・)』
黒葉はぐるぐると頭の中を回転させて質問に答えようと頑張った。
『ぼ、ボクは・・・』
「ギャハハハハハッ!!イヒヒヒヒヒ!!!!」
二人は店内から聞こえる盛大な笑い声に体を強ばらせ店の方へ視線を向けた。
静かになったかと思うとゆっくりと扉が開き爽やかな笑顔のセバスチャンが迎えてくれた。
そのセバスチャンの後ろにはピクピクと痙攣しながらカウンターに突っ伏している葬儀屋。
「お待たせいたしました。」
「もう済んだのか。」
セバスチャンはチラリと黒葉へ視線を向けると直ぐにシエルに視線を向けてクスッと笑った。
「もう少々時間をかけた方が宜しかったですか?」
「・・・大丈夫だ。」
セバスチャンの言葉に少しイラッとしたように答えるとシエルは早々に店内へ戻っていった。
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