闇に溶ける色

□壱
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店の前までくると足を止め、店の周りを見回し看板を見上げる。


『"Under taker"?葬儀屋・・・なのかな。』


暫くボーッと看板を少女は見上げ、入っていいのか?でも別に興味があったから来ただけで入る必要もない気がする。


少女は数分悩むと引き返そうと後ろを振り返った。



「やぁお嬢さん、小生の店になにか用かな?」

『ひッ・・・』



目の前に突然銀髪の男が現れた。


全く気配がしなかった為に少女は驚いて少し仰け反り、そしてそのままバランスを崩して尻餅をついてしまった



「おやおや、驚かせてしまったようだねェ。大丈夫かい・・・?」

『だ、大丈夫です。』



銀髪の男は少し申し訳なさそうに手を差し出してきたが少女はその手を掴むことなく立ち上がった。


男は握られなかった手を見つめ思い出したかのように少女に向きなおすと少女を通り過ぎて店の扉を開る。



「驚かせてしまったお詫びにお茶でも飲んでいかないかい?」



男の顔は長い髪に隠され見えないが口元は笑っている。


この男、先ほどは全く気配を感じさせずに自分の後ろに立っていた。
普通の人間にはそこまでできるとは思えない。


暫く悩んだ末に少女は確かめてやろうと自身の手を強く握り入店した。




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