闇に溶ける色

□肆
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そしてシエル達は黒葉の入っていった部屋の近くにあるソファーへと腰を下ろした。


数分待っていると部屋の扉が開き店員だけが外へと出てきた。


「是非お連れ様方もご覧になってくださいませ!」


先ほど室内へ入って行った時よりも明らかに元気な店員の声に少し驚きつつもシエル、セバスチャン、葬儀屋の順で入室した。


『あ、あの、ボクこんな格好したことないんですが・・・』


顔を赤らめ三人とは目を合わせずにそう告げる黒葉は瞳の色より明るめのグリーンのドレスに身を包んでいた。


シエルは先ほどの姿とのギャップに驚きを隠せずにじっと黒葉を見つめ、セバスチャンはまじまじと黒葉を見つめ「お似合いですよ」と笑顔で答えた。


葬儀屋も驚いた様に固まっていたがセバスチャンの言葉に我に返り軽くセバスチャンを睨んだ。


『あ、アンダーテイカー?』


黒葉は何故か不機嫌なオーラを出す葬儀屋を不思議に思い未だに赤い顔で葬儀屋を見つめた。


するとセバスチャンがクスッと笑い「アンダーテイカーさん?」と意地の悪い笑で葬儀屋に声をかけた。


葬儀屋はハッとしてまた黒葉へ視線を向ける。



「すご〜くよく似合っているよ。」

『あ、ありがとうございます。』



葬儀屋へ恥ずかしそうに礼をいう黒葉にシエルは「あと数着好きなものを選んでくれ。」とだけ言うとセバスチャンを連れて部屋の外へ出ていった。


葬儀屋もあとを追うように入口へ向かう。



「じゃぁ小生も失礼するよ。」

『あ、あのっ!』

「ん?」

『あの、ボクは本当にあのお店に居てもいいんですか?』

「・・・あ〜、もちろん。黒葉はあそこに居たくないかい?」



黒葉の質問に少し首をかしげるが思い出したように返答を返した、ついでに質問を投げかけた。


『え・・・ボクは・・・』


あまり長居をするとボロが出てバレてしまうかもしれない。
だが寒い季節になるのなんて結構あっとゆうまだ。
それにこの事件解決の手助けもある。


『もう暫く置いてもらえますか?』


もし出て行くなら事件が解決してから。
それからでも遅くない。そう自分に言い聞かせて葬儀屋へ返した。


葬儀屋は「好きなだけ居ていいよォ」と笑いながら言うと部屋を出ていった。


『(これが終わるまでは気をつけなくちゃ)』


黒葉は心の中で拳を握り意気込んだ。





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