闇に溶ける色

□肆
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「じゃぁ黒葉、行こうか。」

『え、でも行くってどこへ・・・』

「ヒッヒ・・・ついてくればわかるさ。」



葬儀屋も外へ向い、黒葉も慌ててその背中を追った。


3人はセバスチャンの操る馬車へ乗り込み人通りの多い通りへと向かって行った。


そして一件の店の前で馬車が止まる。
そこは高級な洋服を扱う店だった。



『あ、あの、もしかして・・・』

「その装いでは犯人も現れて下さいませんでしょうしまずはお洋服をと思いまして。」

『(すごく素敵な笑顔でひどいことを言われた気がする・・・)』


でも確かにシャツにベスト、そして下は長いズボン。


自分の格好を改めて見ると結構ひどいものだった。これでは犯人は見向きもしないだろう。


髪の長さで女性とわかるがこれで髪が短かったら男と言われても文句はいえないだろう。


黒葉はこっそりと小さくため息をついた。


4人は洋服店へ入って行くと近くの店員にシエルが声をかけた。



「彼女にドレスを数着見立ててくれ。」

「かしこまりました。ではお客様はこちらへ、お連れ様方はそちらのソファーでお待ちくださいませ。」



店員は黒葉の格好を見ると一瞬表情を曇らせるがすぐさま笑顔を見せ奥の一室へと案内した。






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