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□フェイク
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「私を愛して…？ニセモノで構わない…お芝居でもいいから…」
初めは困惑した表情を浮かべてた雅だけど、私の無茶な要求を受け入れてくれた。
こうして手に入れたニセモノの愛情。
でも雅は優しく私を愛してくれた。
ずっとこうしていられたら、
この幸せなお芝居が永遠に続いたらと何度夢に見ただろう。
どんなに願っても、終わりは必ずやってくるんだって、分かってたはずなのに…。
半年後、雅が本当の愛情を傾けたのは、私とは正反対の素直で優しい人だった。
偶然、雅と彼女が一緒いるところを見たことがあった。
今まで、小さい頃からずっと一緒にいたけど、私はあんな幸せそうに笑う雅を見たことがなかった。
二人を纏う空間がキラキラ輝いて見えて、それは舞台のお芝居を照らすライトなんかじゃなく、二人が自ら発する光。
私にはとても眩しくて、まっすぐに見ることなんて出来なかった。