たんぺん!!

□サナギ
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アッシュフォード学園生徒会室。
本日の天気は雨。
今日は珍しくルルーシュとスザクが揃っていた。
各々の仕事をこなしている時にリヴァルが溜め息を吐いた。
「早く晴れねぇかなぁ」
「確かに気分が塞ぎ込んじゃうよね」
リヴァルの言葉にシャーリーが同意する。
ルルーシュは泣いている外を見る。


『雨童女<アメワラシ>が恵みの雨を降らしているんですよ』


そう言っていたのは誰だろうか。
そうだ。
まだ母は健在で、ナナリーも五体満足であり、後宮で幸せに暮らしていた頃。
ルルーシュ付きの世話をしていたメイドが言っていた。
彼女と知り合った時はルルーシュは六つだった。
名前と顔は思い出せない。
印象深く残っていたのは、腰まである黒髪に深緑の瞳が未だに離れなかった。
ナナリーの世話に忙しいマリアンヌに代わり、彼女と対面していた。
玉座に座り、彼女を見下ろしていた。
『初めまして、ルルーシュ殿下。×××と申します』
礼をする彼女を無表情に見下ろしていた。
『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。よろしく頼む』
ルルーシュは玉座から降りると彼女の横を擦り抜けた。
ルルーシュの後ろに執事長と彼女がつく。
執事長からは彼女がルルーシュの専属メイドになる事を右から左へ通り抜ける様に聞いていた。
この時期からルルーシュにとって、母と妹以外は敵であった。
ルルーシュは幼い頃、ヒト成らざるモノが見えていた。
それを周りに話す度に気味が悪いと言う様に見られた。
他者は自分が持たないモノを嫌悪する。
物心がついた時から、ルルーシュは異形の者として見られ続けた。
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