小説

□何を考えてる?
1ページ/1ページ



夏休みに入ってから少し過ぎた頃。

今日は、我が家曰く白石家で勉強会を開く事になった。

・・・まぁ、とは言うても財前と二人きりなんやけど。

「部長、他の人たちはまだなんですか?」
「ああ、そのこと何やけどそれ嘘やねん。」

これでもかってくらい笑顔で答えた。


財前には謙也を通してみんなで勉強するからと言って誘っていた。

案の定財前は驚きを隠せないようで口をぽかーんと開けとる。

しばしの空白の時間が過ぎて、
「何のつもりですか、こないな嘘までついて。」

顔を真っ赤にして必死に冷静を保とうとしとる財前が可愛くてしゃーない。

「おん、せやな。」

そんな財前を見とるのも楽しいけど、あんましからこうて機嫌を悪くしてしまっても困るので、とりあえず持ってきたジュースとお菓子をテーブルに広げた。

俺が用意している間財前が俺の事をよそ見もせず見てるのに気づき、多分ばれてないつもりなんやろななどと思った。



財前を嘘をついてまで呼んだんはもちろん理由がある。

「嘘をついたんは、悪かったわ。せやけどこうでもせんかったら話できへんやろ?」

「っ!そんなん、部活でも出来るやないですか」

「その部活で人をさけまくとったんは誰かさんやろ?」

「それは・・・」


ここ一ヶ月くらい財前とはまともに口を聞いてへん。
原因はわからん。
ただ、財前が俺を見かける度わざとらしく謙也に話しかけてその場を立ち去ってしまったり、物陰に隠れてしまったり、俺が話しかけた時、用事がーとか言うていなくなる。

ひどいときには俺に背を向けて猛ダッシュしてそのまま部活に出ぇへんなんてこともあった。

「それは、何なん?ちゃんと口にださんとわからんで。」

少し問い詰めるように話しかけると財前の顔が強ばった。
財前は俺の部屋に置いてあったクッションを抱え込むように強く握りしめた。



「部長が・・・、俺やってこのままじゃいけないのは分かってるんです。でもっ!」


はっ、と気づくと財前はふるえながら泣いていた。

「財前、自分なんで泣い「しゃーないやろ!部長が悪いねん!部長のせいや・・・」

顔を真っ赤にして俺の慰めようとする手をつかんで泣き叫ぶ。

「なんで、何で部長なんや!」

「何で俺は・・・」
「財前、ちょお落ち着き?まず泣きやんでや」

財前が俺の手から自分の手を離し、うなだれながら泣くのをこらえようとしている。

俺は自由になった手を財前の背中に回しそのままさすってやった。

はたから見れば抱き合っていると言っても過言ではない状況下で財前は俺を警戒もせぇへん。


・・・それはそれで傷つくわぁ。


少し落ち着いただろう腕の中の財前は鼻をすすり肩で息をして俺を見上げた。

「っっ!?」

見上げられた顔は先刻より真っ赤になって勢いよく下げられた。

「財前・・・顔、上げて?」
「今は、ムリです。」

財前の背中から心音が響いてきた。

「じゃあ、そのまんまでええから聞いて?」

ぎゅっと少し強めに抱きしめた。

それに反応するように息を飲むのが分かった。
体を固くして少しだけ震える愛しい人に向かって優しい言葉をかける。

「財前あんな?俺かて好きな子にあんだけ避けられたら傷つくんやで?」

お腹のあたりから「好きな子?」とつぶやく声がした。

「今だって、こんなに抱きしめとんのに少しの警戒もされないんじゃ悲しいわ、それとも意識、してくれとるの?」

なぁ財前?と耳元で囁く。


財前が俺の腹に埋めていた頭をゆっくり持ち上げ、けれども目線は下を向いたままで耳まで赤くなっていた。

「ほんと、ですか?からかってるんやないですか。俺の気持ちに気づいたから仕方なく言っとんのとちゃいますか?」
「そんなわけあるかいな、俺は財前の事が好きやで。」

やっと顔を上げた財前の顔はまた涙で濡れていた。
そして俺の服をつかみ今まで避けていた訳をゆっくりやけど話してくれた。


「うっ、すいま、せん・・・ひっふう・・・。」
「泣きやんでからでいいで。泣いた顔も可愛えけどな。」
「っ!」
「リンゴちゃんみたいやな。」
「言わないでください・・・」
「落ち着いたか?」
「はい、少し。」
「ほな、聞かせて?財前が俺を避けとった訳。」


「最初はただの憧れやったんです。けどそれだけじゃもの足りなくなっていつのまにか目で部長を探しては追って探しては追っての繰り返しで、この感情は何やろうって思ってました。」

「うん。」

「ある時、謙也さんと部長が話してるのを見てどうしようもなく苛ついて、羨ましくて・・・
わかってるんです。部長と謙也さんは仲がいいからただ話してただけなんやって。
それでもイライラして・・・」

「うん。」

「小春先輩に相談したんです。どうしてイライラするのか、どうして・・・部長を見てるだけでこんなにドキドキして、嬉しくなるのか。」

「ん。」


「そしたら、先輩が俺は部長に恋してるんやって。
部長が好きって自覚したらなんや顔合わせることできんくなって、逃げてしもて・・・」

「何で言ってくれんかったんや?」

「やって!やって男が男好きなんてキモイやないですか・・・」

なんだか申し訳なさそうに言う財前が何に不安を覚えてたか、ようやく分かった気がした。



俺に気ぃ使ってくれてたんやな。



「財前、自分なんもキモないで?財前がキモイ言うなら俺かてキモいわ。いや、俺の方がキモいわ。
男の財前を好きになって、泣いとる財前見て可愛えとも思う。
むしろ今からベッドで泣くまでイかせてやりたいって思ってるで?」

「なっ!!?」


いままでに無いくらい顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせた。


あかん、めっちゃかわええ。


「なぁ、俺の事どう思ってる?ちゃんと財前の口から聞きたい。」

「俺は・・・」

不意に財前の顔が近づいてきて俺の耳元で、小さくでもはっきりと、

「部長のこと、好きです。」


可愛らしく聞こえた声は確かに告白、やった。
財前から、俺への。

「俺と付き合うて下さい。」

「っ!はい!!」



俺はめっちゃ幸せやな。




俺の初恋が叶った瞬間だった。












END

後書き

純情っぽくなりましたでしょうか!?
ちゃんとエロは書きませんでしたwww

うーーーーーん

やっぱり、途中から文が変になってる気がしますね。


・・・ま、いっか!

そのうち直しておきますww


本編に触れると、まぁとりあえずコメントしずらい!!
なんでしょうかね?
ぱっとしないというか萌え無いというか・・・


あんまり、キュンとしてきませんね??

ありきたりすぎたかなぁ?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ