うたプリ
□overtime
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仕事のし過ぎでトキヤは40度にもよる高熱を出してしまった。
同じ寮に居る音也は心配で心配でさっきからトキヤの側を離れない。
熱で顔が火照ったトキヤを見るのは初めてで、でも自分に出来ることなんて…
なくて、早く元気になってほしいと思い看病を続けている。
「トキヤ…」
トキヤの額に絞ったおしぼりを当て心配そうに見つめる。
俺って本当にバカだな寮で、ずっと一緒なのにトキヤの異変に気づけなかったなんて…
いまの自分には自分を責めることしか出来なかった。
ギュッとトキヤの手を握って側に居る音也。
「早くよくなってね」
一言云うと手を離そうとするがその時トキヤの口から聞こえた言葉が…
「おと……やっ…」
自分の名前だった。呆気にとられていると手を握り返され熱で弱っている筈なのに…
そのチカラは何処から出てくるんだと思うような腕のチカラで音也を自分の胸元へ引き寄せる。
「うわっ?!」
トキヤを起こさないようにしていたがいきなり引き寄せられ思わず声をあげてしまう。
その後トキヤの口からは何も言葉は出ず“ああ、さっきのは寝言か”理解する。
引き寄せられたかと思うと今度は抱きしめられ音也の顔は赤くなっていく。
トキヤはさっきよりは顔色が良くなり微かに微笑んでいる。
「も、もう…」
いまの状況にドキドキしながらも音也はされるがままでいたがトキヤの頬にキスを落としてから自分も眠りにつく
「おやすみ…トキヤ」
そう言って目を閉じトキヤの胸で眠った。