テニプリ


□告白
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昼休み。
誰もが自由に過ごしていい時間。

ココに一人、凄く暇で屋上に行こうと
している忍足謙也の姿が見える。
ただ、単に屋上に行こうとしている
訳ではない。同じテニス部で後輩の
財前光を捜しに屋上へ来たのだ。

「ここやな…ひっか」
「好きなの!」

屋上の扉を開けて財前の名前を
呼ぼうとしたら…
女の声がした。

しかも”好き”という言葉を
財前に向けて…

「なんで?」
「テニス部の練習観にいく様になってから好きになったんや」

恋する乙女の告白をこそこそ
隠れて聞いている忍足。
屋上に行ってもいいけど…
行くに行けなくなってしまった。

「すんません、俺・・アンタのこと
よう知らんしそれに好きやないんで…」
「そう、分かったわ…
でも一つだけ教えてほしいんや
誰か好きな人おるの?」
「アンタに関係ないですやん」
「そ、そうだね・・ごめん」

女生徒は涙をチラリと見せ
屋上から離れて行った。

忍足は見つからないように
隠れ女生徒が走って廊下を渡る姿を見過ごした。

屋上に財前一人だけ取り残された。
行くなら今だと思った忍足はダッシュで屋上に入って行った。

「光!!」
「あ、謙也さん…」
「お前も言う様になったやん。いっちょ前に女の子振るやなんて…さすがモテモテやなぁ…」

財前を茶化していると財前の口からは溜息とガッカリしました的な返事が返ってきた。

「見てたんスか?」
「いや、聞いてただけやけど…てか、お前好きな人おるんか??」
「まぁ、いますけど…」
「そうなんや」

後輩に好きな人がいると知った忍足は、ショックを受けたのか下を俯きながら会話を続ける。

「そういう謙也さんは好きな人おるんですか?」

下を俯いてる忍足に財前がそう問いかけてくる。忍足はローテンションで答える。

「居るで…」
「そうなんや」

忍足に好きな人がいると分かった財前は先程とは違うかのように
小声で納得し後ろを向いてしまった。

「ひ、光?どないしたん??」

忍足は財前が珍しくも弱弱しかったので気になってどうしようもなく声をかけ肩を触った。

「触らんといて下さい」

手を突き放され拒絶された。
何でそんな事を言われなきゃ分からない忍足は理由を聞く

「謙也さん好きな人居るって言うてやないですか。なら俺に触らんといて下さい」

財前も自分と同じ事を気にしている事が分かれば調子に乗ってしまう。
そして軽い嫉妬を同時に発動

「そないな事お前が気にせんでええんやで?俺が好きんなのは光やから…」
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