テニプリ


□昼下がりの窓
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「んっ〜い、いま・・何時だ?」
平日の今日。確か休みだった様な…
昨日は何日だったけな…
10日?じゃあ、今日は11日か
寝惚けながら目を擦り俺は枕の横にある
目覚ましを見て慌てる。

「うわっ・・遅刻だ…」

朝練にまにあわねぇ…
早く着替えて、何も食べずに
家を出る。

「真田副部長に怒られる」

朝練に遅刻してしまうと思うと
当然の事が頭に浮かぶ。

なんで、朝っぱから遅刻
してしまうんだよ・・俺・・

ムシャクシャしながら
校門を通りテニス部に向かう。

「あ、あれ?誰もいない」

遅刻かと思ったら俺が一番最初?
なんだ、慌てて来ること
なかったじゃん

一番最初に着いたかと思うと
早く着替えて後から来る
先輩達に自慢してやろうと言う気で
部室を入ろうとする。

ところが、開かない。

「なんで開いてないんだ?」
ガチャガチャ 何度試してみても
ドアは開かない。

故障?
な訳ねーよな…

暫くドアに向って
話しかけたり、睨めっこを
していると後ろから
部長がやってきた。

「何してるの?朝練ならもう
終ったよ」
「え?終ったんスか…」
「ああ。今日はいつもより早く
始めて早く終らせたんだ」

朝練が終っていると聞くと
授業に遅れる!!

「ど、どもっス部長…」

部長に一言一礼すると
1時間目の授業は英語だった
事に気づく。
英語の先生、俺には酷く
テストでやばい点数をとったら
部活に遅れたことも屡。
朝から遅刻だなんて思うと
俺は弱気になってトボトボ
外を歩く。

腕時計を見ると、なんだかんだで
12時になっていた。
完全に遅刻だ・・。
思わず落ち込む俺
これで、部活に遅れることは高い。
英語の授業も終って遅刻なんて
最悪だぜ・・。

はぁ〜
溜息をついて上を見ていると
上には俺が好きな先輩の教室の窓が
あった。

丸井先輩今頃何してんのかな?

外の窓からは、先輩の赤髪が
見える。そして机に伏せて寝ている。

机に顔を伏せてるため
はっきりと顔は見えないが
隣にいる仁王先輩が困った顔で
丸井先輩を起そうとしているのは
分かる。

いいな〜仁王先輩羨ましい。
教室に入る気は途中から全くなく
俺はずっと丸井先輩を外から見ていた。

寝てるんなら起してやろう。
何故だか分からないが
先輩を起したくなった俺は
携帯を出し丸井先輩宛にメールを送信。

ブーンブーン
携帯の音で目覚めたのか
先輩は欠伸をして携帯を出した。
携帯を開いた動作が外からは見える。

【ども。切原っス〜
いま、先輩を見てます】

あ、丸井先輩こっちを見た。
俺は尽かさず手を振って
ここにいるという合図をした。

ブーンブーン
メールだ!丸井先輩からだろうな
ワクワクしながら携帯を開く。

【お前何時からそこにいた?
ていうか朝練遅れただろ…】

それから昼まで、俺と丸井先輩の
メールの遣り取りは続いた。
朝練に行って先輩を見ることは
できなかったけれど…
いま、こうして先輩を見ている
一時が俺は幸せ。
…窓越しから見える先輩
携帯での会話たまには
こういうのもいいなと俺は思った。

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