novel

□オータムグローリーより、愛を込めて
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 朝起きると、メールの着信ランプが点滅していた。
(獄寺くん、かなぁ)
 寝ぼけ眼でそれに手を伸ばす。目を擦りながら受信ボックスを開くと案の定だった。
 おはようございます十代目、から始まる文章はいつも通りだ。几帳面さに笑みがこぼれる。
 肝心の内容は、遊ばないかと言うものだった。
 先月、例の美容室に行ってからと言うもの、ロクに眠れていないのだ。明け方に漸く寝付けるというのがここ最近の睡眠事情。
 それもこれもリボーンのせい。彼のことを思い出すと頭が混乱して胸がバクバクと鳴る。こんなことは初めてだった。
 この気持ちは何なのかと考えだすと気が付くと夜が明けている。
(リボーン……)
 まただ。少し考えただけで鼓動が早くなっていく。自分が自分で無くなるような感覚に陥る。苦しい。
 お陰で少し気が滅入っていたのだ。この誘いはいい気分転換になるだろう。
 獄寺に了承の返事を送ると、ほんの2、3分で時間と待ち合わせ場所を指定した返事が返ってきた。
 約束の時間は12時丁度。それまであと1時間と少しある。昼食はどこかのランチでも食べるのだろうと思い、朝食は簡単なもので済ますことにした。



 


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