novel

□Sugar!
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 10月13日、それはリボーンが生まれた日である。
 何の因果か次の日に誕生日を迎えるツナはリボーンが来てからと言うもの、纏めて祝われか忘れられるかのどちらかになった。それが悲しいと思った事も正直ある。
 しかし、今年は3つほど違った。

 1つ目は両日でささやかな祝いのパーティーを開くことになっているということだ。そうなれば、悲しい気持ちは消え去り、嬉しい反面、恥ずかしい気持ちがむくむくと沸いてくる。

 2つ目は、リボーンとツナが恋人となったということ。有り得ないがリボーンから告白されたのだ。いつの間にかお前が大きな存在になっていた、と。ツナは最近自分の気持ちに気付いたばかりだったので、有り得ないほど叫び、驚いた後、小さく首を縦に降った。
 付き合っている、と言うことは勿論、今までのような物を渡すわけにもいかない。

(去年は確かカップをあげたんだよな)

 良くエスプレッソを飲んでいる彼に、青い花が描かれたカップとソーサーを贈ったのだ。何ヵ月も前から貯めていたお金が一瞬にして飛んでいったが、リボーンが嬉しそうに眺めていたので考えないようにした。
 そう、今までだって適当な気持ちで、適当な物を渡していたわけでは無いのだ。しかし今年は恋人となって初めての誕生日なのだ。特別な何かを渡したい。

 そして、3つ目。リボーンの呪いが解けていることだ。今はまだ少年程の身長だが、異様なスピードで成長しているのでそのうち抜かれそうだ。

(ま、リボーンはイタリア人だし、日本人のオレよりは身長でかくなるよね)

 成長しても使えるもので、リボーンが喜びそうな物。なおかつプレゼントしたことがない物、と条件を絞って考えてみるも、何も思い付かない。誕生日は来週に迫っている。しかも運悪く前日は金曜日。リボーンがいないのは今日だけだ。

(商店街歩いてたら何か思い付くかも)

 淡い期待を持ち、町に繰り出すことにした。






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