novel

□音ゲー
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「なあ、ツナ。音ゲーが得意だって聞いたんだけどさ、それマジか?」
「そうなんですか?! 十代目が音ゲー……」

 ぽやんとする獄寺。頬を掻きながらツナが言う。

「得意かどうかは置いといて、好きだよ。音ゲー」

 好き、と言う言葉が頭の中でエンドレスして逆上せている獄寺に対して、山本は目を大きく見開く。

「ツナがやんのって意外だな。オレ、こないだ部活の連中とゲーセンに行って一回だけやったんだ。ほら、やけにカラフルなボタンの奴」
「ポッ○ンのこと?」
「そう、それ。5ボタンでやったんだけど結構難しいのな」

 反射神経とリズム感が無いとタイミングよく叩けないのだ。バーの一歩手前で叩いたり、過ぎてから叩いたり、ボタンの位置が分からなくなってなんにもない所を叩くなんて良くある話である。

「最初は皆そうだよ。オレも初めは全然できなくてさ」

 あはは、と笑うツナ。ちなみに獄寺は気絶中だ。

「連中は結構やりこんでたみたいで、負けたのが悔しくてさ。ツナ、教えてくんね?」

 きょとんとするツナ。首を傾げてなぜ自分なのかを問う。

「あいつらが言ってたんだ。前にツナがやってるところ見たって。すんげぇ上手かったって言ってたし、あいつらに教えてもらったんじゃ意味ねぇからな」
「オレで良いのなら構わないよ?」

 ここでがばっと獄寺復活。

「オレもお供します、十代目!!!」

 引き気味に肯定するツナと爽やかに返事をする山本。正反対すぎる。

「じゃ、今日の放課後早速教えてくれ!」
「わかったよ」







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