novel
□恋よ、さようなら
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ねぇ、あの頃のオレはお前に脅されて、怖くて、びくびくしてばっかだったけどさ
時折見せるお前の優しさが大好きだったんだよ
つり橋効果じゃねぇかって?
確かに少しはあるかもしんない。けど月日が経つに連れて分かったんだよな、本物だって
好きって言うたった二文字の言葉の羅列が言えなくて
その間にも想いは溢れて決壊しそうで
でも嫌われたくなくって
関係を壊したくなくって
ここが無くなるくらいなら自分が我慢すれば良いって思った
だけど、やっぱり誰よりも近くにいたくて
笑顔を見る度に心は満たされて、もっと見たくて
だんだんと、それだけじゃ足りなくなって
触れていたくて
触れてほしくて
何かあった時、一番にオレを思い出してほしくて
…………本当はオレがずっとリボーンの隣にいたくて
やっと今日決心したんだ
「リボーンの事が好き」
月明かりだけが射し込む部屋。明日オレは正式にボンゴレ10代目を継ぐ。そしてリボーンはお役目御免でフリーのヒットマンに戻ることになっている。
言うなら今しかないと思い、勇気の欠片をかき集めて言葉にしたリボーンへの想いのたけ。
振られても構わない覚悟だったが、いざとなると目が合わせられない。
「おい、ツナ」
ゆるゆるとリンゴの様に染まった顔を上げるとリボーンの顔が至近距離にあった。ドキドキどころじゃない。心臓が破裂しそうだ。上手く呼吸が出来ない。息ってどうやるんだっけ?
「これ、なんだと思うか」
ニヤリと笑うその顔は何時もと同じで、どこか違う。
「9代目からの……勅命?」
イタリア語で書いてあるそれをザッと目で追う。嘘だそんなはずはない読み間違いだ、そう思い何度も何度も読み返した。
「…………10代目直属ヒットマン……?」
過保護な9代目が頼んだのだろうか。
「これはオレが望んだことだぞ。誰にも指図はされていない」
「っ!!」
「なぁ返事をこんな紙じゃなくて直接聞きたくないか?」
こくりと頷く前に、リボーンはいつも被っているボルサリーノを床に放って
「俺も好きだぜ、ツナ」
そう耳元で囁いた。
(お前がいるからどんな壁にも立ち向かっていける)
(お前がいるからここが俺の居場所だと胸を張れる)
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なんかリボーンの反応が淡々としてる。リボーンもこの日告白する予定だったっていう設定つき
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