小説

□素直じゃない君へ*レンアイ
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「んっ……。」
「あっ、アイチくん目を覚ましましたか。」

ゆっくりと目を開けると、目の前にレンさんの顔があった。

「レ、レンさんっ!?」
「どうかしましたかアイチくん?」
「いや、なんでもないです。」

まずは僕がどんな状況におかれているのかを理解しようと、体をゆっくりと起こしてあたりを見回した。コンクリートに囲まれて、ぼんやりとオレンジ色の光に包まれていて、置いてある物は今僕が座っているベッドくらいだった。だがこれだけでは一体なんの部屋なのかわからずにレンさんに聞いてみることにした。

「レン…さん?ここは一体なんの部屋なんですか?」
「そうですね………私とアイチくんの部屋とでも言っておきましょうか。」
「レレレレン!!冗談はやめてくださいっ。」
「私が冗談を言っている目をしていますか?」

ニッコリと微笑みながらも僕をしっかりと見つめているレンさんを、僕は直視は出来なかったけど、その目には嘘偽りが一切ないように見えた。

「…………見えません。」
「ふふっ。素直でいい子です。」

さっき言ったことは嘘じゃないことはわかったけど、まだわからないことがあった。

「じゃあなんで、こんな部屋を作ったんですか?」
「そんなの簡単じゃないですか。アイチくんが好きだからですよ。」
「冗談はや………」

途中まで言いかけてからレンさんのさっきと同じ目を見て口をつぐんだ。

「くすっ……そうですよ。私は冗談は言っていません。この部屋でアイチくん…君を愛でたいのです。」


バタッ

そう言った途端、レンさんが僕をベッドへと押し倒した。

「レンさん?!何を…んぐっ………。」

喋っている途中で突然レンさんにキスをされ言葉を遮られた。

「んくっ…ぷはっ……どうですか私のキスは?」
「ぷはっ…はぁーはぁー……どうって…言われても…。」
「嫌…でしたか?」
「………。」

いきなりでびっくりはしたけど、嫌では無かったし気持ちもよかった。

「…アイチくん…、君はもっと自分に素直になる必要がありますね。」
「ひゃあっ!!」

レンさんはゆっくりと僕の服に手を入れて、直接お腹を触ってきた。

「レ、レンさん!!やめっ…ひゃぁんっ…いやっ…きもち……。」

僕が何かを喋ろうとしてもレンさんは僕の体を触るのをやめなかった。そして、気持ちよくなる度に変な声を出してしまっていた。いつも森川くんとかにくすぐられても、こしょばゆいだけで気持ち良くはならなかった。(もしかしてレンさんだからかな?)そう思うと全身が熱くほてりだした。

「アイチくん。」
「ひゃいっ!!」

恥ずかしくなっていた時に急に呼びかけられて動揺して、まともな返事ができなかった。

そして、まるで僕の動揺を見透かす様にレンさんは僕の方を見てきて喋りだした。

「今、君が思っていることを口に出してみてください。」
「な、なんで!?」
「いや…なんとなくです。」
「なら…いやです…。」
「そうですか…。」

何も口にださなかったが、レンさんは本当に僕の思っていたことを知っているかのような表情を浮かべていた。

「アイチくん。」
「は、はい!!」
「君はもっと自分に素直になるべきです。だから今からこの部屋を『アイチくんを素直にする部屋』と名前を変えましょう。」
「え?!どうゆう…こと??」
「ですから私がここで君を素直になるように調教すると言うことです。」
「そんなこ……んんっ。」

レンさんは優しく微笑みながら僕に近づき、有無を言わせないように僕の唇を唇で塞いでいった。

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