ポケモン

□弱き勇気…ヒトカゲ
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ポツリ、ポツリ。


いつの頃からかそんな可愛げのある雨音も激しくなり、僕は急いで洞窟へ逃げ隠れた。


僕の尻尾の先に灯る水色の炎は、僕の命だから。


雨の日は嫌いじゃないけど、そんな雨空の下に出てしまうとびっくりするほど簡単に死んでしまう。


他の炎タイプのポケモンなら弱るだけで済むのに。


だから僕達ヒトカゲは、他のどんなポケモンより…弱いんだ。


「あっ…」


ふと視界に入ったのは、ぼんやりと揺れる水色の炎。


勿論、雨の中。


その内それもどんどん小さくなって、ドサッという効果音と共に消えてしまった。


後に残るのは、さっきと変わらない雨音だけ。


僕は雨がやむまで、ひたすらさっきまで炎が灯っていた場所を見続けていた。


助けに行かなかった事を悔やんでいるわけじゃない、雨の中を飛び出すのが怖かったわけでもない。


ただ、ヒトカゲは弱いから。


心だって弱いんだ。


たった一度勇気を出して自ら炎を消した事を、誰もとめようなんて思わない。


思えないだけなんだ。










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