○o沖神○o
□風邪気味。
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「ただの風邪ネ、こんなの痛くも痒くもないアル」
「こら、お母さんの言うことちゃんと聞きなさい」
「銀ちゃんは私の親じゃないヨ」
「2人とも喧嘩しないで下さい。神楽ちゃん、遊ぶのは今日じゃないと駄目なの?」
…………2人とも心配しすぎアル。
夜兎の血はこんな風邪で弱るほどやわじゃない。
「嫌アル、今日がいいって……約束したアル…」
暫し、沈黙が続く。
「…………………銀さん、どうします?」
「………ったく、これだから子供は嫌いなんだよ」
いつも初めに折れるのは新八。
銀ちゃんだって、ちゃんと私の意見を尊重してくれる。
……だから、私は2人が大好きだ。
「銀ちゃん、ぱっつぁんあんがと」
「おう」
「早めに帰ってきてね、今日のご飯うどんにしておくから」
新八はとことん心配症で、どことなく信頼してしまう。
「わかってるアル、たまには2人とものんびりするヨロシ」
いつもと同じ髪飾りをして、いつもより短めのチャイナドレスを着る。
「じゃあ、行ってくるアル」
「神楽ちゃん、傘忘れてるよ」
「病人は大人しく遊べよ」
「………わかってるアル!いってきます!」
いつもよりも少しだけ優しい2人を置いて、勢い良く玄関を飛び出した。