輪廻再会
□壱話「家族」
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「なんですか、師匠」
ふわり、飛び降りたせいでフードが後ろへと倒れる。
隠してあった蒼い髪がこぼれた。
ため息を一つついて被りなおす。
今世での名は海都。
この髪を由来に目の前でニコニコ笑っている忍らしくない師匠にもらった名。
7年も経てば新しい名前にも馴染むというもの。
「お前に弟弟子と妹弟子ができるぞー」
デレデレと抱きついてくる師匠(バカと読む)にアッパーをかまし、またため息一つ。
折角のイケメンも性格がダメだと台無しになるんだと痛感した。
「っっー!真面目に痛いんだけどこれ!」
「痛いようにしましたもん」
「ヒデェ!」
「…で、また拾ってきたんですか。前までみたいに里長のところに連れて行かないんですか?」
「……いや、ね、数日前に拾ってきたんだけど…ちょっと…」
ヘラリ、
(…ったく)
師匠がこんな笑い方をするときは、いつだって俺に申し訳ないと思っているとき。
忍がこんなに分かりやすくてどうするんだ。
これで里一番に優秀だというんだから信じられない。
「中々警戒心が強くて…」
「説明は良いから案内してください」
「…はーい」
ワシ、と頭を撫でられた。
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