輪廻再会
□伍話「賞賛」
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佐助が弁丸様の髪を結っている間に俺も着流しへと袖を通す。
忍になったとき、この早着替えには感動したもん。
俺着替えるの遅かったから。
いつもは佐助が結ってくれる髪を今回は自分でかるーく結って。
てか、結い紐まで統一してるわけね。
俺が黒で佐助が緑で弁丸様が紅。
あの数分で考えて持ってきたのだろうか。
もしそうだったらマジ尊敬するぞあの女中さん。
「兄貴、できたよ」
「おお…若様、すごい変身振りですよ」
「そうか?」
「ええ。これなら誰にもバレませぬ」
佐助の独断か、頬に泥のような化粧も入っていて、
これなら誰も弁丸様をお武家の子供だとは思わないだろう。
さすがは佐助。
「では、若様。俺と佐助は少ししなくてはいけないことがありますので」
「?」
「この髪じゃあ、目立ってしょうがないんです」
佐助が俺の言葉を続ける様にそう言えば、
まん丸な琥珀色の瞳が零れ落ちてしまいそうなほどに見開かれた。
次の瞬間、部屋に響いたのは凄まじい怒号。
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