輪廻再会
□壱話「家族」
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「じゃあ、師匠はそこに居てくださいね。
何があってもそこに。いいですね」
返事はいらない。
フードを寄り深く被り敷居をまたぐ。
その瞬間に飛んでくる石。
バシッ
それは海都の左太ももに当たり鈍い音を立てた。
だが彼は止まらず、少年と少女の下へと足を進める。
少年と少女に困惑が走り、飛んでくる石の力が弱まった。
それでも当たれば鈍い音をたてる。
防具あろうが、痛いものは痛い。
そう、痛い。痛覚がないわけじゃないんだから。
今すぐにでも膝を折って、蹲って、泣き出してしまいたい。
でも、でもさ、だからって逃げるわけにはいかないんだ。
あの子達の拒絶に、立ち向かわないわけには行かないんだ。
師匠が俺に頼んできたことだし、それに…
「「…っ」」
あんなに辛い顔をして、助けを求めてる子供を放っておけるわけないじゃん。
「こうゆう、痛いのは慣れてるんだ。この7年間、毎日だからな」
さあ、あと一歩だ。
これで、あの子達に手を伸ばせる。
バシッ