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□泡沫の白
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「僕たち死んだよ?」
「お前はなんでそんな楽しそうに笑うんだ。」
クスクス。
「僕?僕はゼラと一緒だったらなんでもいいや。嬉しい。」
「まだそんなことを言うのか。」
「まだ?いつまでもだよ。」
「懲りない奴だな」
「ふふ、ゼラったらかわいいんだから」
「帰り道にお前が食べかけのあんぱんを落とした事を覚えているか?」
「覚えてるよ。僕それから機嫌悪くして、ゼラに困った顔させちゃった。」
「それから僕はお前にパンを奢ってやったんだ。」
「僕ね、あのとき本当はパンなんてどうでも良かったんだよ?ゼラの困った顔がかわいかったの。」
「それで僕は奢るはめになったってゆうのか?」
「ごめんねゼラ。ふふ。」
「はは、気にしてないさ。」
クスクス。クスクス。
「ねえゼラ、僕ゼラのこと大好きだよ」
「そうか。」
「ゼラ。」
「なんだ。」
「ゼラ、僕、ゼラのこと大好きだ」
「そうか。」
「ゼラは最後まで僕のこと好きだって言ってくれないんだね。」
「…。」
「ねえゼラ。」
「…。」
「ゼラ、どうして泣くの。」
END