ssbook1

□或は愛か。
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時が止まった、とはまさにこういうことを言うのだろう。
先ほどダフの家にあがり、お茶入れてくるねと部屋を出たダフを見送りぼーっとしていると、
机の引き出しが開けたままになっているのが目に入った。
興味本位で覗くとまあ予想通りというかなんというか、エッチな本が入っていた訳で。
なんでダフはこんなもの好きなのかとぱらぱらとページをめくりながら思う。
本には裸の女の人とか、男女の性行為だとか、なんかそんなの。興味なかった。

お茶を運んできたダフが部屋に入ってきたのである。

「それ、お父さんの」

目がざぶんざぶんと泳ぎ額には汗が浮かんで、あからさまに動揺している。
てゆうか考えた言い訳がそれかよ、と心の中で苦笑する。
俺は手に持っていた本を閉じるともとあった場所に返した。
ダフは突っ立ったままである。


「あれで抜くんだ?」

「僕それ見てないもん」

「あっ、お前まだそんなこと言うのか」

「勝手に人の机のなかみないでよっタミヤくんの馬鹿!」

青くなったかと思ったらこんどは顔を真っ赤にして俺の事を責め立てる。開いてたんだと言うと嘘だと声を張り上げる。
顔を真っ赤にして息を荒げて、俺はよっぽどこっちの方が興奮するんだけどな、なんて。
ぎゅうと狭い背中を後ろから抱きしめるとダフの匂いがした。

「浮気された気分なんですけど。」

「タミヤ君は女の人とは違うじゃない」

「じゃあなにか、お前は俺におっぱいがあったら嬉しいってか?男で悪かったな」

「それは違うよ。
 僕は今のタミヤ君が好きなんだもん。」


あ、やばい。

「勃起。」

「ばか。」



END

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