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□危険な小学生
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「え、尾行?」
とある昼下がりの喫茶店で、お茶に誘われたカービィは向かい側に腰を下ろしたナゴに、突然こんな提案をされた。
――近辺で不審者が出没しているらしく、心配だ。今日だけでいい、学校帰りのピッチを一緒に尾行してくれないか、と。
「警察は何番だっけ」
「ちゃうて! 今回だけ本気やねん!」
「一応、そこに交番あるけど」
「んであんたまで乗っとんのや!」
カービィとナゴのやり取りに口を挟んできたのは、この喫茶店でバイトをしているリック。それぞれの目の前にオレンジジュースを注いだコップを置いて、
「心配しなくても大丈夫だと思うぜ?」
「“思う”だけやろ」
どうやら、本当に今回だけは本気らしい。
「ま、僕は暇だし別にいーけど」
「俺はバイトあるからパスで」
頭の後ろに腕を回すカービィに対し、リックはさらりと断り、その場を後にして。
「よし、カービィ」
ナゴはぐっと拳を握り、気合いを入れる。
「子供達の未来を守るんや!」
「勘違いされたら責任取ってよ」
「どういう意味や」